食欲不振の際に現れる症状は、その原因によってさまざまです。食べたい気持ちを感じにくくなるのですから、胃や腸といった消化器官に関係する症状がよく見られます。例えば胃の痛み、吐き気、下痢などです。熱が出ることも少なくありません。
反対に、こうした症状が食欲を起こしにくくしているとも言えます。他にも、「早期膨満感」と言って、食事を始めてもすぐにお腹が膨れたように感じてしまい食事が続かなくなったりすることもあります。
また、仕事や人間関係、過労やケガ、事故など心身ともにストレスを感じている状態が長期間続くと、交感神経が過剰に刺激され、副交感神経の働きが抑えられてしまいます。
副交感神経は消化吸収を促進しますから、自律神経のバランスの崩れが食欲不振になりやすいのです。
食欲不振の原因は多岐にわたります。多くみられるのは、食道、胃、腸、肝臓、膵臓などを指す消化器の病気や不調です。具体的には、炎症性腸疾患、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がん、肝炎、肝臓がん、膵炎などです。心不全、慢性腎臓病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、甲状腺疾患など消化器以外の病気で食欲不振が現れることもあります。
全身の病気として、急性胃腸炎(感染性胃腸炎)やかぜのような、細菌やウイルス、寄生虫などによる感染症や、前述のとおりストレスやうつ病などの精神的なもの、痛み止めや強心剤、抗がん剤、抗生剤、向精神薬など病気治療のために日常的に服用しているお薬が原因となることもあります。
そのほかの食欲不振の原因として、加齢や夏の暑さ、虫歯や義歯の不調、口内炎など口内の健康や清潔が保たれていないことが挙げられます。
食欲不振は消化器系の病気が原因となっていることが多いため、患者さんに応じて精査のため次のような検査を行うことも少なくありません。
・腹部超音波検査
・腹部レントゲン検査
・上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)
・下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ検査)
・CT検査、MRI検査などの画像診断
・胸部レントゲン検査
・心電図検査 など
食欲不振の原因は多岐にわたるため、原因を改善するための治療が第一選択となります。
例えば急性胃腸炎では、現れている症状を和らげる対症療法としての薬物療法が基本となります。
吐血や貧血がある場合には上部内視鏡検査(胃カメラ検査)で詳しく調べて、同時に処置を行うこともあります。
また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合には、まずは出血や穿孔などの合併症の治療を行います。発症の原因としてヘリコバクター・ピロリ菌に感染している場合には除菌治療を行い、同じく発症の原因となる「非ステロイド系抗炎症薬」や「アスピリン」を他の病気治療で服用している場合には、服用中止が検討されます。
一部の患者は、病院で検査を受けても異常が見つからないことがあります。その際には、ストレスの軽減や過度な飲食の制限、食事内容の調整、特に動物性脂肪や脂っこい食品、甘いもの、香辛料の摂取を控えることが提案されることがあります。また、適度な運動や生活習慣の改善も勧められ、胃薬の処方も行われることが一般的です。
胃もたれは、体が健康状態を示す重要なシグナルの一つです。カイロプラクティックは、体内に潜む根本的な原因を考慮し、胃もたれにアプローチする方法を提供しています。