子宮は卵を逆さまにしたような下の方がとがった形状をしています。この子宮の形状にぴったり合うのが、赤ちゃんが頭を下にして両足を曲げた姿勢になります。また妊娠初期~中期では、赤ちゃんは未だ小さく子宮内は広く、活発に動き回ることのできるスペースが確保されています。そのため毎日赤ちゃんは様々な向きを変えながらママのお腹の中ですくすくと成長しています。妊娠後期には赤ちゃんの体が大きく成長し、最も重い頭を下に向けます。お産がスムーズに行くためもありますが、もう1つの理由は頭にたくさんの酸素を送るためと言われています。成長のための栄養はへその緒を通じて血液により酸素を運んでいます。赤ちゃんに送られてくる酸素の7~8割を脳で消費すると言われていますので、有効に脳に酸素を送るために頭が下を向いてきます。赤ちゃんの成長にとって1番重要な場所、それが脳になります。
カイロプラクティックでは、逆子について2つ原因を考えアプローチをしています。1つは、神経機能の異常になります。上記で説明したように、妊娠中のお母さんの体にとって最も大切なのは、脳から全身に張り巡らされている神経になります。神経に異常が生じることでお腹の中で成長している赤ちゃんの状態を100%把握することができなくなります。そのため、赤ちゃんにとって好ましくない姿勢であっても、赤ちゃんの状態を脳が把握することができなければ、一向に改善することはありません。
もう1つの原因は骨盤にあります。お母さんの骨盤は、お産に向け広がっていきます。そのため妊娠後期では、骨盤部に大きな負荷がかかっていきます。そして子宮はハンモックのように骨盤に繋がっている靭帯によって宙づりになっています。よって妊娠後期に骨盤のバランスが乱れることで子宮が捻じれ、子宮内のスペースが狭まることが逆子の原因と考えられています。結果、窮屈な場所からリラックスできる場所を探し、頭が下を向く正常な姿勢から横向きや頭が上に移動して正常な位置から外れてしまいます。この逆子に対して、当院ではウェブスターテクニックというカイロプラクティックのテクニックを用います。ウェブスターテクニックとは、国際小児カイロプラクティック協会の創始者、Drラリー。ウェブスターが構築したテクニックで、母子に負担が掛かるような事はせず、ねじれてしまった子宮環境を整え、胎児が自分自身で自然に向きを変えられる子宮環境にする安全なテクニックです。
子宮は子宮円策や子宮仙骨靱帯という靱帯で支えられていますが、骨盤が歪む事でこれら靱帯がバランス悪く引っ張られてしまう事で子宮がねじれてしまい、お腹の中の赤ちゃんが自分自身で向きを変えられない状態になってしまいます。子宮を寝袋と例えると、寝袋(子宮)が捻れてしまっている事で、胎児が寝袋(子宮)の中で寝返りを出来ない状態だと思って頂けると解りやすいかと思います。このウェブスターテクニックは、寝袋(子宮)のねじれを取ってあげて、寝袋(子宮)を正常な状態にしてあげる事で、胎児が寝返りしやすくするという自然な考え方のテクニックです。妊娠7ヶ月くらい迄は自然に逆子が治る可能性が高いですが、胎児の成長が進む妊娠8ヶ月以降においては自然改善が難しくなってきます。そのような中でもこのウェブスターテクニックは非常に有効で、妊娠7ヶ月から9ヶ月の逆子で、このウェブスターテクニックを用いて92%の改善実績が報告されています。
妊娠中のお母さんの体にとって最も大切なのは、脳から全身に張り巡らされている神経です。神経が正しく流れることでしっかりとママがお腹の中の赤ちゃんの状態を把握することができます。この神経の流れに異常が生じた場所を見つけ出し、正常にすることがカイロプラクターの仕事となります。神経の流れが正常になり、脳がしっかりと赤ちゃんの状態を把握しさえすれば、お産に必要なホルモンが分泌され、ママや赤ちゃんへの健康に繋がりスムーズなお産を迎えることが可能になります。また骨盤のバランスが安定することで子宮内のスペースも正常に保たれ、赤ちゃんが自由な姿勢が可能になります。赤ちゃんとママが健やかに妊娠期間を過ごし、安心してお産を迎えて頂くためにカイロプラクティック・ケアをお勧めします。