出産後、約10cmの赤ちゃんが骨盤を通ることで、産道を構成する筋肉や膜、靭帯などは大きく伸び、時には断裂することもあります。このため、産後は体に大きなダメージを受けている状態になります。妊娠中から感じていた体調不良が、出産後に一気に変化し、妊娠前とは異なる身体と症状を訴える方が多いです。産後に見られるトラブルには、尿漏れ、便失禁、会陰の下垂感、足のむくみなどがあります。
特に以下の4つのケースで出産した方はトラブルが起こりやすいと言われています: ①急な進行で産道が十分に柔らかくなる前に出産した方(産道が損傷しやすい) ②吸引分娩や鉗子分娩、クリステレル分娩を行った方(外部から強い圧力がかかり損傷しやすい) ③長時間の分娩を経た方(骨盤底筋群に負担がかかり、循環不全を引き起こすことがある) ④巨大児を出産した方(過度な筋肉や靭帯の伸展)
産婦人科では産後の骨盤矯正を勧めていますが、実際にできることは限られており、産後すぐに骨盤ベルトを使用して骨盤の開きを防ぎ、育児中の姿勢に気をつけつつ、産後1ヶ月頃から体操や軽い運動を行うアドバイスが一般的です。整体院では、腰や臀部の筋肉をほぐしたり、関節の可動域を調整したり、骨盤を締める施術を行うことが一般的です。また、接骨院や整骨院では、筋肉のほぐしや電気治療を使い、骨盤底筋に刺激を与えたり、ドロップベッドで脚長差を整える骨盤矯正を行います。ただし、接骨院で産後の骨盤矯正は保険が適用されないことが多く、費用がかかる場合があります。
カイロプラクティックでは、神経にアプローチして産後の骨盤矯正を行うため、従来の方法とは異なる考え方で身体の調整を行います。