多汗症

ハンカチが手放せないその汗、<br />
自律神経の乱れが原因かもしれません!

ハンカチが手放せないその汗、
自律神経の乱れが原因かもしれません!

多汗症とは、発熱や運動などの生理的な要因とは関係なく、大量の汗をかいてしまう状態を指します。多汗症には、全身に汗をかく「全身性多汗症」と、ワキや手のひらなど特定の部位に汗をかく「局所性多汗症」があります。発症のタイミングは人それぞれで、思春期前後に発症することもあれば、成人になってから発症することもあります。過度な発汗によって日常生活に支障をきたしたり、精神的な負担を感じたりすることも少なくありません。そのため、原因を正確に把握し、適切な対処を行うことが大切です。

全身性多汗症
全身性多汗症は、背中、足、腹部など全身に多量の汗をかく状態を指します。なかでも、特定の原因があるものは「続発性全身性多汗症」と呼ばれます。その主な原因には以下のようなものがあります。
・甲状腺機能亢進症
・低血糖
・更年期障害
・褐色細胞腫(副腎にできる腫瘍)
・感染症
・薬剤(オピオイドの離脱症状など)

局所性多汗症
局所性多汗症は、主に手のひら、足の裏、ワキなど特定の部位に多量の汗をかく状態を指します。特に、原因が特定できない「原発性局所性多汗症」は、比較的多く見られます。このタイプの多汗症は、自律神経の調整がうまくいかないことが原因とされており、交感神経の過剰な働きによって発汗が促進されると考えられています。

こんな経験したこと
ありませんか?

  • 緊張すると汗が止まらない
  • タオルが手放せない
  • お風呂に入った後、汗が止まらない
  • 汗の匂いが気になる
  • 手汗が止まらない

一般的な多汗症に対しての治療法

common medical care

一般的な多汗症に対しての治療法

一般的に、多汗症の原因としては、精神的ストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの崩れ、急激な環境の変化など、外部からの影響(外的要因)が考えられるといわれています。これらの要因を見直し、改善することが、多汗症の対策として推奨されています。病院での治療では、交感神経の刺激によって放出される「アセチルコリン」という神経伝達物質の働きを抑える薬を用いることで、発汗を抑える方法が一般的です。しかし、これは一時的に発汗を抑える対症療法であり、根本的な治療とはいえません。ここで考えてみてください。もし多汗症の原因が外的要因だけであるなら、なぜ同じ環境にいても汗を大量にかく人とかかない人がいるのでしょうか?

カイロプラクティックでは、多汗症の根本的な原因は体の内側にあると考えています。体のバランスを整えることで、自律神経の働きを正常にし、多汗症の改善につなげるアプローチを行っています。

カイロプラクティックでのアプローチ

chiropractic approach

カイロプラクティックでのアプローチ

人間の体温は通常約35〜37℃に保たれています。これは、体の機能を安定させるために必要な仕組みです。そのため、常に適切な体温を維持することが重要になります。

気温が低くなり体温が下がると、体に蓄えられたエネルギーを使い、体温を上げる方向にシフトします。一方、気温が高くなると、体温の過剰な上昇を防ぐために汗をかきます。この体温調節の指令を出しているのが脳です。脳は外気温や体内の温度変化を感知し、汗腺に「汗を出せ」という指令を送ります。しかし、汗の分泌は自律神経の働きによって制御されているため、自分の意志でコントロールすることはできません。

では、体温が上昇していないのに汗をかくのはなぜでしょうか?通常、強いストレスが加わると交感神経が活性化し、体は「戦闘モード」に入ります。戦闘モードと聞くと、何かと戦うイメージがありますが、日常生活においてもさまざまな場面で交感神経が働きます。例えば、怒っているとき、興奮しているとき、運動しているとき、重要なプレゼンテーションや責任のある仕事を任されたときなど、緊張を感じる場面では交感神経が優位になります。

交感神経が働くことで、体はストレス環境に適応しようとします。例えば、交感神経が優位になると、脳へ多くの情報を伝達するために瞳孔が開きます。また、心拍数や血圧が上昇し、脳に十分な血液を供給します。その結果、脳の温度が上がるため、汗をかいて冷却しようとするのです。このように、自律神経はストレスに対して適切に反応し、体を環境に適応させる重要な役割を担っています。しかし、脳と体をつなぐ神経に問題(サブラクセーション)が生じると、体が外部環境の変化を正しく把握できず、交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまいます。その結果、必要以上に汗をかく「多汗症」の原因となります。

脳が適切に外部環境や体内の状態を認識できれば、必要な汗の量を調整し、過剰な発汗を防ぐことができます。そこで重要になるのが、神経の流れを正常にすることです。カイロプラクティック・ケアを通じて脳と神経、そして体のバランスを整えることで、ストレスや不安に適切に対応し、交感神経と副交感神経のバランスを保つことができます。生活習慣や環境が変化しても、脳がそれを正しく把握し、適切なストレスホルモンを分泌することで、体は自然とその環境に順応できます。しかし、サブラクセーションによって脳と体の情報伝達が乱れると、どれだけストレスを減らしても、生活習慣を見直しても、多汗症の根本的な改善には至りません。そもそも、多汗症は体のバランスが乱れていることを知らせる大切なサインです。このサインを薬で抑え込むのではなく、自分の体の内側と向き合い、根本から整えていくことが重要です。