一般的に圧迫骨折は、加齢や骨粗しょう症や外傷などが原因とされています。 外傷はともかく、加齢や骨粗しょう症が圧迫骨折の原因だとしたら、なぜ圧迫骨折になる高齢者とならない高齢者がいるのでしょうか?
重要なことは、骨粗しょう症の対処法として外的要因に意識を向けるのではなく、体の内に意識を向けることです。カイロプラクティックでは圧迫骨折を治すとか圧迫骨折の痛みを取るという事を重要視する訳ではなく、背骨と神経の機能が乱れを改善していきます。圧迫骨折を患ってしまったその悪い健康状態からより良い健康状態にシフトするように身体の中から変えていきます。
①背骨のバランスの乱れ
私たちの背骨は負荷が加わる部位では密度は高くなり、負荷が少ない部位には密度が低くなります。宇宙飛行士が無重力の中で生活することで骨の密度や筋力が落ちていくのと同じです。背骨にきちんとした圧が加わることで骨密度は安定することになります。しかし、サブラクセーションが存在することで背骨のバランスが乱れます。
これまで背骨によって体を支えていたのが、筋肉を頼り背骨を支えるようになります。その状態が慢性化することで骨密度が低下していきます。これが骨粗しょう症の原因となります。
骨には新陳代謝があります。古くなり劣化した骨は、メンテナンスされて新しい骨へと生まれ変わっていくのです。サブラクセーションが取り除かれ背骨が安定することで、正常な骨の新陳代謝が行われ健康な骨を取り戻すことが可能になります。
②閉経後の女性ホルモン低下
骨粗しょう症は特に女性に多い病気で、患者さんの80%以上が女性と言われています。女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の新陳代謝に際してカルシウムの吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。そのため閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると、急激に骨密度が減ります。では、なぜエストロゲンの分泌量が異常に低下してしまうのでしょうか?
そこで重要なのが“脳“になります。神経を通じて様々な情報が脳へ伝達されます。その情報を処理するのが体の司令官である脳になります。脳は体の状態を把握して、その環境に適応するために対処してくれています。
しかしサブラクセーションによって神経に問題があると、脳は子宮や卵巣の状態を把握することができなくなります。その結果、女性ホルモンが急激に低下し骨密度が低下する原因となっているのです。
③副甲状腺の機能低下
骨はカルシウムの貯蔵庫です。体内のカルシウムの99%は骨や歯の中にあり、残りの1%は血液中に存在しています。1%のカルシウムは、全体のカルシウム量からするとわずかですが、筋肉の収縮や血液の凝固や神経伝達に関わるなど重要な働きをしています。
そのため血液中のカルシウムが足りなくなると、骨からカルシウムが溶けだして補おうとします。骨は体を支える以外に、カルシウムを貯蔵するという役割も担っています。カルシウムの摂取量が少ないと、次から次へと骨からカルシウムを血液へ補わねばならず、骨の中のカルシウムが失われてしまうのです。
そこで副甲状腺が重要な働きしています。副甲状腺は血中のカルシウム濃度を一定に保つ機能が備わっています。しかしサブラクセーションによってその機能が亢進することで、血液中のカルシウム濃度が高くなり骨のカルシウム濃度が少なくなります。それが骨粗しょう症の原因となります。
・外傷による圧迫骨折の対処法
急性の圧迫骨折の場合は3~4週間安静が必要になり、炎症が引くまでアイシングを行います。治療法としては、うつ伏せにした状態で寝てもらい、患部に3.5~4.5キロ位の砂袋や米袋を患部に当て後方へ椎骨が移動しないように予防することで早期改善に繋がります。