肘の痛みで病院にいくと、このような診断名がつくことがあります。症状名とその特徴をご説明します。
●上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
タオルを絞る、ビンのふたを開けるといった動きをした際に、肘の外側から前腕にかけて鋭い痛みが走ります。
●上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)とは
上腕骨内側上顆炎では手首を手のひら側に曲げたり、物をもって肘を曲げる力をいれたりする際に肘の内側に鋭い痛みが走ります。日常生活動作としては、例えばものを握って持ち上げる、タオルや雑巾を手のひら側に絞る、ロープを引っ張る、などの動きで痛みを感じます。
●肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
小指と薬指の外側(小指側)にしびれが出現し、肘の内側を軽く叩くだけで痛みが出るようになります。症状が進行すると手の筋肉が萎縮(やせること)したり、指の変形が起こったりします。
●肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
小指と薬指の外側(小指側)にしびれが出現し、肘の内側を軽く叩くだけで痛みが出るようになります。症状が進行すると手の筋肉が萎縮(やせること)したり、指の変形が起こったりします。
●肘内障(ちゅうないしょう)
子どもが急に手を引っ張られた後などに、腕が急に動かなくなり、ダランと下がった状態になります。
●変形性肘関節症
「肘を動かすと痛い=運動時痛」「曲げ伸ばしの範囲が狭くなる=関節可動域制限」「急にある角度で動かなくなる=ロッキング」といった症状が起こります。
肘関節の変形が原因で尺骨神経が圧迫されている場合は薬指・小指のしびれが出ることもあります。
●野球肘
「野球肘」とは、野球の投球動作の繰り返しにより生じる肘関節障害の総称です。特にピッチャーをしている成長期の子どもに多く、ボールを投げる時や投げた後に肘が痛くなります。肘の曲げ伸ばしで痛みが生じたり、急に動かせなくなったりすることもあります。
病院での治療は、以下の通りです。症状を抑える対症療法が一般的です。
1)保存療法
ステロイド注射のような即効性はありませんが、中・長期的に見るとリハビリによる治療が最も効果が高いです。必要に応じて、テーピングなどを行い患部の負担軽減を目指しますまた、電気療法や超音波治療などの物理療法も組み合わせながら実施します。安静を心がけ、症状が落ち着くまでは、テニスやそのほかの発症のきっかけとなったスポーツは一時お休みしましょう。
2)薬物療法
炎症がある場合は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs=ロキソニンなど)や湿布をすることで炎症を抑え症状が改善します。ただし、飲み薬は長期間使用すると胃があれるなどの副作用が出る場合があるので、注意が必要です。
3)装具療法
肘より少し遠くの伸筋腱(短僥側手根伸筋腱)の筋腹を圧迫し、指や手関節の伸筋腱の滑走を制限します。
サポーターを実施することで、伸筋腱の付着部である外側上顆付着部にかかる負担を減らすとされてます。
4)注射療法
物が持てない、仕事に支障が出るほどの強い痛みがある場合、ステロイド注射を行う場合があります。
痛みのある肘の部分に直接治療薬を注射すると、そのまま1~2ヵ月程度は症状が改善することが多いですが、痛みが再燃する場合も少なくありません。
5)その他
・体外衝撃波治療
・PRP治療
・手術療法