下痢の原因は様々ある為、問診を行い既往歴や服用中のお薬、摂取した食べ物などを確認したうえで、必要に応じて血液検査やエコー検査、内視鏡検査(大腸カメラ検査)などを行います。
下痢を引き起こす疾患として、
1)ウイルス性胃腸炎
ウイルス性胃腸炎とは、胃腸にウイルスが感染することで、下痢のほか、吐き気・嘔吐、発熱、腹痛などの症状が現れる病気です。ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスなど、様々なウイルスが原因で発症します。
2)クローン病
クローン病とは、口から肛門までの消化管の様々な場所で炎症や潰瘍が起こる病気です。好発部位は回腸の末端ですが、小腸・大腸にも潰瘍ができることがあるため、消化・吸収が悪くなり、下痢を引き起こします。
3)過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、ストレスなどが原因で、腸の働きに異常が起こる病気です。慢性的に下痢が起きたり、下痢と便秘を交互に繰り返したりすることがあります。また、数週間、下痢が続いた後、一時的に解消され、しばらくしてから再発するということを繰り返す場合もあります。
4)潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜で慢性的な炎症が起こり、ひらんや潰瘍が生じる病気です。長期にわたって下痢や腹痛が続き、血液の混ざった粘血便が出ることもあります。
5)大腸がん
大腸がんでは、がんのため、腸の内腔が狭くなり便の通過が悪くなることから、便秘がちになるのは当然として、便秘と下痢とを繰り返す、下痢便しか出なくなる、などの症状が見られます。
急性下痢の場合、ウイルス・細菌感染による胃腸炎が原因で起こることが多いので、整腸剤を使って治療するほか、必要に応じて抗生物質を投与します。慢性下痢の場合には、大腸カメラ検査などの各種検査を行って、原因を判明させたうえで、適切な治療を行います。
原因となる病気が見つからない場合、過敏性腸症候群が考えられるため、生活習慣の改善やストレスの解消などをアドバイスして治療していきます。