一般的に三叉神経は、脳の脳幹部というところから出て頭蓋骨の中を通ってから顔に広がります。この神経が脳からでたすぐ後で圧迫されると三叉神経痛が発症します。
まず痛みを和らげる投薬やブロック注射によって治療が施され、経過観察が行われます。しかし、投薬は、あくまでも症状に対する対症療法であり、根本治療には至りません。
1)薬物療法(テグレトール)
テグレトールは最も有効な薬剤で、これによる薬物療法は最初に用いる治療法です。しかし、継続して薬を使用していると次第に効果が減少してきて、服用する薬の量が増え、ふらつきや眠気が強くなって日常生活に支障が出たり、血小板減少などの副作用で継続できないことがあります。
2)神経ブロック
神経ブロックは、外来でも治療を行える点では優れていますが、ブロックする神経の領域に高い頻度でしびれを伴うことが欠点です。
3)ガンマナイフ
ガンマナイフは、最近使用されるようになったもので、高線量の放射線を三叉神経に照射して痛みを取る治療法です。線量が多すぎるとしびれを伴いやすく、少ないと治癒率が低くなるという傾向があり、長期追跡のデータはまだ充分ではありません。
4)手術
外科的治療として神経血管減圧術という手術法です。これは、耳の少し後ろの骨に、500円玉1個半くらいの穴を開けて、そこから手術用顕微鏡を用いて三叉神経の脳からの出口部を観察し、原因となっている圧迫血管を見つけて、神経に当たらないように移動させるというものです。手術は全身麻酔で5~6時間程度です。手術後1週間で抜糸、入院期間は2週間程度掛かります。
三叉神経痛チックの原因は、ストレス、精神的な不安、生活習慣の乱れなどといった環境の変化などといった外的要因も考えられます。一般的にそれらの外的要因を見直し、改善することが三叉神経痛チックの対策法とされています。しかし、考えてみてください。もし外的要因が三叉神経痛チックの原因だとしたら、なぜ三叉神経痛チックになる人とならない人がいるのでしょうか?ここで重要なことは、三叉神経痛チックの予防策として外的要因に意識を向けるのではなく、身体の内に意識を向けることが非常に重要だと考えます。